
「好きなカンナビス品種、どうやって選んでる?」って聞かれたら、パッと浮かぶ答えは意外と人それぞれだったりします。“香りがフルーティー”、“香ばしくてスパイシー”、“吸ったあと眠くなりやすい”なんて感想も、人によって本当にバラバラ。品種ごとに全然違う風味とか体感、あれって何が理由なんだろう…? 実はガツンと影響を与えているのが「テルペン」という天然化合物なんです。これを知ると、ラベルや見た目じゃ分からないその品種ならではの魅力や、もっと自分に合った選び方ができるようになります。
テルペンとは?知られざる香りと効果のパワー
カンナビスの葉っぱや花の独特な香り、実は全部「テルペン」という成分が主役。カンナビスだけじゃなく、ラベンダーや柑橘類、松の木など普通の植物にも含まれています。「あ、この品種はレモンみたい!」とか、「ラベンダーっぽくてリラックスする」みたいな印象は、香り成分の組み合わせ、つまりテルペン次第でまるっきり変わります。
カンナビスの世界でよく聞くテルペンは、リモネン(柑橘系)、ミルセン(マンゴーやハーブっぽい香り)、ピネン(森の中みたいな香り)、リナロール(ラベンダー)、カリオフィレン(スパイシー&ペッパーっぽい香り)など種類は30種以上。そのうち品種に多く含まれて「個性」の源となるのは10種程度。実際、2011年に発表された研究(Ethan Russo博士)では、“エンタウラージュ効果”といって、テルペンとTHCやCBDが相乗的に働くことで、品種ごとの作用も変わることが示されています。
テルペンは香りだけじゃなく、効果にも大きく関係します。例えば、リモネンは気分を明るくしたり、ミルセンは体全体を緩ませてくれたり。アロマセラピーと似てるけど、体感がもっとダイレクト。ストレスの多い日に柑橘系の品種を選んだり、リラックスしたい夜はラベンダー系を選ぶなど自分の状態や気分で「目的買い」できるのも面白いところです。
テルペンの研究は実はまだ発展途上。最近では品種の香り成分を分析・分類して活用する「カンナビステルペノミクス」なんて新分野も盛んです。家庭用の小型分析機まで登場してきて、マニアから医療現場まで、じわじわ活用が広がってきています。

品種ごとの香り・効果の違い:テルペンが決め手
「インディカ VS サティバ」なんて枠組みだけじゃ語りきれない、もっと細やかな特徴が伝わる…実はそれをハッキリさせているのがテルペンなんです。例えば、眠気がくるとか高揚するなど、従来はTHCやCBDの含有量ばかり注目されたけど、今はテルペン含有量を見て選ぶ人が増えています。
リモネンが多い「Super Lemon Haze」や「Tangie」は本当にフレッシュな柑橘系で、夕方以降でも気怠さが少ないなんて評判。逆にミルセンが多い「Granddaddy Purple」や「Blue Dream」辺りは、体がぐっと重たく感じるリラックス寄りです。ピネンは集中力や記憶力にもプラスで働く、と言われているので「Jack Herer」みたいな冴え系品種にはピネンが多いのも納得だったりします。
スパイシー系が好き、お肉料理みたいなスモーキーさを求めるなら「OG Kush」や「GSC」などカリオフィレンが豊富なタイプも人気。医療用として注目されているのがリナロール。香りはラベンダーそのもので、不安感やストレス緩和をサポートするので、不眠気味な人や不安障害を持つ患者さんから支持されています。
実際に品種ラベルやディスペンサリーの店頭メニューでも、THC・CBD含有量とセットで主要テルペンも明記が増えてきました。「この香りはこれ、あの高揚感はこの成分」と分かれば、品種選びが自分好みにどんどんカスタマイズしやすくなります。
ちょっとした裏ワザとして、“単一テルペン”リキッドやディフューザーを使って、香り成分だけ個別に感じ比べてみるのも面白いです。本気で自分に合った効果を探したいなら、好きなテルペンをメモしておいて新しい品種を試すときに参考にすれば失敗しづらいですよ。

テルペンを活かす品種選びと暮らしのコツ
「香り重視で選びたいけど、どこを見たらいいの?」って迷うこと、ありますよね。今はアメリカやカナダなどの合法エリアだと主要なディスペンサリーや通販サイトで主要テルペンの分析データが載ってることが多いです。日本のCBDブランドでも、最近は主要テルペンをアピールする商品ラベルが増えています。
実際に選ぶときは、まず嗅いでみて直感的に好きかどうかが大事。そのリズムで選ぶと失敗が少ないし、好みの傾向がつかみやすいんです。何個か気に入った品種が出てきたら、そのテルペン配合表を調べてみると「自分は実はリモネン系が好きだった」なんて新しい発見もあります。まるでワインやコーヒーのテイスティング感覚で自分だけの「推し成分」リスト作りができるわけです。
もうひとつ大事なのが保存方法。テルペンは揮発性が高いので、空気に触れたり温度が上がるとどんどん香りが弱まってしまいます。開封後は密封容器に入れて冷暗所で保存がベスト。ガラスの密閉ジャーや個包装バッグを使うだけでも全然違います。ズボラな人は、湿度コントロールの小袋(ヒュミドールパック)を使うだけでもかなり香り長持ちするのでおすすめです。
効果面で自分に合った品種を細かく知りたいなら、試した品種・香り・体感を日記のように記録していくと傾向がつかめます。最近はスマホアプリで品種検索・評価・メモを簡単につけられるツールなども登場中。また、「テルペンアロマオイル」を使ってデスク周りや家に香りだけを取り入れる人も急増。仕事前にピネンやリモネン系、夜寝る前にはリナロール系と、生活シーン別に使い分けている人も多いです。
要するに、知れば知るほど“自分だけのベスト”を見つけやすい。それが品種選びの一番の醍醐味。香りやリラックス効果で生活を豊かにできるのも、テルペンの奥深い魅力なのかもしれません。
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